流用ピストンからの卒業とエンジンの異音の正体


Norton ES2のボアはスタンダードで79mmですが、僕のES2は83mmもあります。


長い間日本にいた個体なので、流用ピストンを使用するためにここまで拡大されたんでしょう。これ、純正のスリーブの径よりも大きいんです。どうやってここまで広げたんでしょう?シリンダーも削ったのでしょうか?


現状問題ひどい焼き付きなどはありませんが、今後発生した場合に修理することが困難なので純正に戻す計画を少し前から練っていました。

 ある日、オーストラリアの旧車パーツのサイト「Britcycle Parts」にNorton ES2の+0.020ボアの中古シリンダーが安めに出ていましたので、購入しました。送料込みで3万5000円ぐらい。+0.020インチなので、+0.030インチのオーバーサイズピストンが使えるかな?と考え購入、それに合わせシリンダーを広島精研さんにてボーリングしてもらいました。あまりボアを広げたくなかったのですが、シリンダーが歪んで楕円になっていたようで、1サイズアップでは完璧にシリンダー内壁の錆は取り切れなかったと連絡がきました。ただこれでも使用には差し支えないよとも教えていただいたので、このまま1サイズアップの+0.030で組むことにしました。

フィンかけも無く状態のいい中古シリンダー
+0.030でボーリング、ブラスト、再塗装

流用ピストンよさようなら!

 コンロッドスモールエンド部分のメタルも流用ピストン用に径の小さなものが使われていたので、アジャスタブルリーマーを使い内径を拡大しました。ピストンを装着し、シリンダーを組付けます。もちろんガスケットは新品を使用。そしてシリンダーヘッドをのせようとしたときに、あることに気付いたのです。
購入当初からエンジンを始動させると、カンカンと甲高い音が鳴るのが気になっていました。Youtubeで同じES2を見てもそんな音鳴ってないんです。


どこが悪いんだろう?なんてずっと分からずに放置していたのですが、原因がわかりました。排気側のバルブガイドにガタがありました。それも結構大きいです。動画でも排気側でカンカンなってますよね。
 さて、広島精研さんに再度相談し、念のためリプロのバルブガイド、バルブセットと合わせてシリンダーヘッドを送りました。バルブガイドの部品は使えないことが多く、これまでも結局現物合わせで製作してもらうことが多かったです。ガイドのガタという事で、もしひどければシリンダーヘッドのバルブガイドホールも修正してもらうつもりでした。
ですが、そこまで重症ではなく且つ送付したバルブガイドが問題なく使えるよと連絡がきたので、バルブガイド脱着とバルブのシートカット、すり合わせをお願いしました。

ピカピカになって帰ってきました

数日後、シリンダーヘッドが届きました。これだけの作業内容ですが1万円ぐらいでやってもらいました。いつも安価でありがとうございます!
早速組付けます。


大好きなこれぞOHVと言わんばかりのエンジン造形

 かくして、流用ピストンとおさらばしました。また、思いがけず異音の原因の判明と対処もできました。これでしばらくは問題なく乗れそうです!

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