DT250 シフト不具合、修理

 


実家においてある弟の1975年のDT250(498?)は昨年オークションにて入手し軽整備にて始動、走行することができましたが、N(ニュートラル)に入りづらいという問題がありました。具体的にはシフトペダルがNへシフト時かなり固く、なかなかNに入らない、力をかなり入れると通り過ぎて1速または2速に入ってしまうという感じでした。
シフトが固いということで、ある程度の目星をつけ、あらかじめ分解前に
●シフトフォーク
●シフトドラム
●シフターチェンジレバー類
の中古良品をeBayにて入手しておきました。

が...

なかなかクランクケースを割る気になれず、しばらく放置すること半年...

時は2023年を迎えました。
1月も半ばに差し掛かったタイミングで1週間ほど遅めの正月休みを取ることができたので、このタイミングで修理に取り掛かることにしました。


○まずは車体からエンジンを降ろします。マフラー、キャブレター、オイルポンプなどなど...特に問題なくすんなりおりました。




○フライホイール、ポイントベースを外し、反対側のクラッチカバーを開けクラッチ板一式を外します。クラッチボス部分を留めているセンターナットは29mm、オイルポンプギアを留めているナットは26mmと微妙なサイズです。実家にはなかったので買う羽目に...届くまでに暇なので1番下の弟と腰上を分解しておきました。
後日ソケットが届いたのでインパクトレンチに装着、両ナットともすぐに緩みました。


○シフト機構やプラ製のタコメーターギアなどを取り外します。キック機構はキックスプリングがクランクケース内部にある構造のようで、割らないと交換ができないようです(折れたら交換が面倒くさそう)、M6ボルト3本とプレートによりキックスプリングのテンションを受けているラチェット部分が固定されています、回り止めタブをねかせてボルトを抜いて取り外します。



○忘れていたフロントスプロケットを外し(32mm)、クランクケースを割ります。
分解にはクランクケースセパレーターを使いました。パキッパキッと精神衛生上よくない音がしますが、徐々にクランクベアリングが外れていき2分割。
見たところギア類にカケなどはありませんでしたが...


ドライブシャフト側についているシフトフォークが若干曲がっていました。
eBayにて入手していた良品のシフトフォークに交換します。

○クランクケース内部はこれ以外は特に問題はなかったので継ぎ目に液体ガスケットを塗りストーブで温めつつ閉じました。閉じる際の注意点なのですが、先述したクランクケース内に入る画像21番「キックスプリング」および23番「スプリングガイド」(無理にバラさない限り一体になってます)をケースに前後逆に組み付けないように注意です。逆に組むと閉じた後にキックシャフトをキックスプリングに掛けようとしても位置が奥過ぎて掛からないです(実際逆に組んで再度ばらしました...)

○ガスケットが乾くのを待って、シフト機構部分などを取り付けます。
個人的にはシフトフォークの曲がりであればほかのギアでも症状が出るのでは?と思いますが、実際乗っているのは弟なのでお兄ちゃんはよくわかりません。


シフトチェンジをつかさどる画像22番の「チェンジレバー3」のシフトドラムにかかる爪先が少し摩耗していたので、念のためこちらもeBayで購入した良品に交換しました。


シフトチェンジレバーのクリアランス調整も忘れずに!


○腰上はトップリングのクリアランスが0だったのでシリンダー内に横傷が無数にありました。ボアは70mmでスタンダードサイズだったのですが、もしかするとリングだけオーバーサイズの可能性も?今回は部品の用意がないので少しリングを削り0.2程度のクリアランスを確保し組むことにしました。腰上はエンジンを降ろさなくても分解できるので、次回ボーリングも視野に入れてやりたいと思います。



○ついでに左クランクケースのクラッチアジャスティングスクリューのネジ山が半分死んでいたのでリコイルしました。サイズはM12-P1.25です、SRと同じ規格でした。


最終的に組みあがり始動できたのは帰省最終日の朝でした。
エンジンをかけるとポイントベースを脱着したため微妙に点火時期が早めになっている感じがありました。シフトのほうはスコスコ N(ニュートラル)に入ります。出勤前の一番下の弟に乗ってもらったところ「前よりも軽い!」と言っていたので成功でしょう。
試走まではできなかったので、次回弟が帰省した時までお楽しみということで。
あっ「点火時期調整よろしく~」

【解決編】みどりちゃんトラブルシューティング (加速時に「ンバッ、バババ、ンバッ」と左気筒に点火不良のような症状)

 ポイントカムが原因と断定できたので、PAZONのフルトラキットを導入してみます。
ノートンの時によくお世話になった、Andover Nortonより購入しました。


これで煩わしい点火時期調整からも解放されます!
取り付けは付属の説明書やネットに解説がたくさん載っているのでそれを参考に

 ポイントベースを取り外すと、不調の原因と思われるカムのついた進角ガバナーが現れます。これがはまっている部分はテーパー状になっているので固定ボルトを外してもがっつりはまっていて抜けません。そのためトラ専用工具を使います。




こんな感じのスライドハンマーで力業で引き抜きます、力業と言ってもこの専用工具を使えばスライド1回でポコッと外れてくれました。
付属の配線保護チューブの内径が小さく、配線をそこに通すのが一番大変でした。CDIのユニットはタンクの下に固定と説明書には書いてあるのですが、エンジンからの熱が心配なので、僕はシート下のバッテリー付近に設置しました。


さて、すべての結線を終えていよいよ始動です…ドキドキドキ…

キック一発、バババン!バラッバラッバラッ…

さすがフルトラ始動性は抜群です。排気音が気持ち低くなったような気がしました。
それでは、早速試走してみます。ギアを1速に入れいざ出発!

ンバッ、バババ、ンバッ…

…あれ?
ンバッ、バババ、ンバッ…
…前と変わらない症状…


どうやらポイントカムが原因ではなかったようです…
振出しに戻ってしまいました。
となるともう替えるところは替えましたし、一体全体どこが悪いのか見当もつきません。
途方に暮れるふじおか…

とりあえず火花が適正に出ているか、プラグを外して空キックをして様子を見てみることにしました。するとやはり左気筒だけがいまいち火花が飛ばないタイミングがあったりします。対して右はキックのタイミングに合わせてピカピカ火花が飛んでいます。
ためしに左右のプラグを入れ替えてキックをしてみます。
すると…右が今度は火花が飛ばないタイミングがあり、左は適正に点火しています。

…プラグの左右を入れ替えて、症状も入れ替わった=プラグ!?

新品プラグを急遽購入し交換前に見比べてみましたが、そこまで端子が減っている様子もないと思います。気のせいかな?と新品プラグに交換しエンジンを始動させました…


右:ドドドドドド…
左:ドドドドドド…


あれ?アイドリング、左右ちゃんと等間隔に排気が来るぞ。これはひょっとして…
たまらず1速に入れて試走へ


ズバズバズバズバズバ、ズバズバズバズバ…


なんといままでの点火不良が嘘のように消えて、

気持ちのいい加速が復活しました!


ということで、さんざん悩ませられた点火不良の症状はプラグの不具合という結論になりました。今までプラグが故障する?ことなんて経験はなかったのでノーマークでした。
ずいぶんと回り道をしてお金もかかりましたが、これでまた気持ちよくみどりちゃんに乗ることができます!そしてまたひとつ勉強になりました。


みどりちゃんトラブルシューティング (加速時に「ンバッ、バババ、ンバッ」と左気筒に点火不良のような症状)

  先日継続車検を受け、また2年間お世話になれることになったみどりちゃんことTR6Rですが、早々に車検の帰り道不調が発生。
いつもの16号線外回り、6号呼塚までの渋滞ポイントをのろのろと走っていると、突然加速時に「ンバッ、バババ、ンバッ」と左気筒に点火不良のような症状がでました。
オーバーヒートかなぁ?やだなぁと思いつつ急いで家まで帰りその時は事なきを得ましたが、後日乗ってみるとまだその症状が続いているのです。これは何か原因があると早速トラブルシューティング。

●後日走行時にも症状が再発→オーバーヒートではない
●バッテリー電圧12.8V→発電不良、バッテリーの寿命ではない
●点火時期を再度確認、正常→点火時期ではない(そもそも走行中に急にはズレないか)

渋滞の熱でイグニッションコイルが死んだかとおもい新品の12Vイグニッションコイルを購入
●イグニッションコイル左右新品交換→症状改善せず

うーん、だんだんとドツボにはまってきました...

注意して観察してみると、アイドリング時にマフラーの排気が、右は「ドドドドドド」と調子がいいのですが、左は「バン、ババン、バン」不等間隔で排気がきます。やぱり左だけが調子が悪いようです。
●左側だけが調子が悪い→ワンキャブなのでキャブレターではない

左右別の部品となると...あとはコンデンサかな?
試しに左右のイグニッションコイルとコンデンサを繋ぐ配線を差し替えてみました。
するとなんだか少し改善されたような...うーん、でもやっぱり左が微妙な気がします。
●コンデンサの配線左右差し替え 若干症状が改善するも依然として左が調子がわるい
 →コンデンサではない(差し替えでも左だけが微妙


うーんもう一度ポイント周りを見直してみよう

写真では樹脂ワッシャーがカムを固定するボルトについていますが、これは点火時期を調整する際に、ガバナーをフル進角させて調整する必要があるために、カムを固定する目的で使用しています。

みどりちゃんは67年式なので本来は4CAなのですが、左右のポイントの調整幅が少ないので6CAに替えてあります。間違えやすいのが、元の配線のままであれば、
向かって左が右気筒(timing side)右が左気筒(primary side)です。
見た感じ、問題はないようです。ポイントベースとポイント間、絶縁のためのベークライトワッシャーは、ナットを強く締めすぎると割れてしまうので注意です。

点火時期後、走ってみましたが「ンバッ、バババ、ンバッ」と前を症状は変わりません。
その後念のためコンデンサも左右新品に交換しましたが、変化なしでした。


これはもう何もすることがなくなってしまった...


あとはポイントぐらいしか交換していない左右別の部品は無いので、以前使っていたDAIICHI製のポイントを組み付けてみるもうまいこと点火時期が合わせられません。
そもそも現ポイントに交換して半年以上たっており、この症状が出るまでは問題なく使えていたので、ポイントではないと思います。
…うまいことDAIICHIのポイントだと点火時期が合わせられないので、あきらめて今まで使っていたポイントに戻しました。
そして再三行ってきた点火時期調整を…


ん?

んん???



一回ポイントが開き豆電球が消灯した後、再度ポイント接点が接触し豆電球がついて、また消えてるではありませんか!たぶんこれが原因ですね、ポイントカム。


見えにくいですが、結構虫食いの傷が多いです。右側はヒールのあたりぐらいで、まだ症状が出ていないだけだったのだろうと思います。

ポイントカムはリプロでは出ないので中古を探すしかないのですが、いまさらそれをするのであれば、フルトラキットに替えたほうがいいかなぁ?

追記 
なんと原因は別のところにありました。その2へつづく...

台湾ベスパ ボアアップ

  90ccロングストロークの台湾ベスパを手に入れたふじおかですが、さらなるパワーアップのために2ポート用125 Primaveraのシリンダーキットを使い、121cc化することにしました。121cc化に際しては、シリンダーキットのほかシリンダーヘッド、シリンダーのロングスタッドボルトへ交換、125用エンジンカバーへ交換の作業が必要です。幸い台湾ベスパは125ET3とギア比が一緒なので、減速比はとりあえずこのままで乗ってみようと思います。

宇賀神商会から購入した125 Primavera用2ポートシリンダーキットです。
値段は21000円と激安!製品はポートなどのバリも9割方とってある出来のいいものでした。

シリンダーヘッドはPrimavera用が入手できなかったのでET3用を購入。シリンダーが2ポートか3ポートかだけなので大丈夫だと思います。(大丈夫だよね?)3000円!
そのほかの部品もそろったので、腰上を分解します。

元の90ccのピストン、シリンダーはとてもきれいで大切に乗られてたことがわかります。
ピストンサークリップがスナップリングで脱着が楽でいいですね!

シリンダーのM7のスタッドボルトをショートからロングへ交換します。
シリンダースタッドボルトも50はM6、125系はM7、ラージはM8が使用されているなど種類があるので間違わないように注意。50ccの台湾ベスパだとここもM6になるのかな?
 実はこのスタッドボルトを抜く作業が一番大変でした。僕が持っているのは上の画像の挟み込んで抜くタイプのものなのですが、これだと周囲に回転分のスペースが必要なので、ない場合はなかなかぐるぐるとは回せず、少し回転させてはかけ直してまた少し回転の繰り返しで予想以上に時間がかかりました。お金はかかってもソケットタイプのM7用を購入するほうがいいかと思います。

やっとのことでスタッドボルトを抜き、新たにM7のロングスタッドボルトを挿入します。
逆にこっちは専用のスタッドボルトインストーラーを購入していたので、ラチェットで締めこむだけですぐに挿入できました。

Primavera用121ccピストンを装着、90と比べるとかなり大きいことがわかります。
ピストンの前後には注意です。頭の矢印は排気側を指しています。普通のバイクの感覚だと前方排気なので逆に取り付けますが、ベスパの場合は後方排気なので矢印が後ろを指すように取り付けます。

シリンダーとヘッドを装着します。ピストンは単気筒でリングは2本なので、ピストンリングコンプレッサーは使わず指で縮めてはめました。キックしてみると明らかに圧縮が変わったことがわかりました。

125用エンジンカバーを取り付けて完成です。ガスケットが乾いたら試走してみましょう!

台湾ベスパがやってきた

  旧車斡旋を生業としていると巷で噂の餡子猫氏より「ベスパ」入庫の情報をもらいました。あおいちゃんことCS92を売却しみどりちゃん1台でしばらくやってきましたが、近所へちょこっと買い物に行ったり、役所へ行ったりするのにわざわざみどりちゃんを出して暖気させな~んてのが結構面倒で、やはり「足バイク」としてベスパかカブが欲しいと思っていたところだったので思わぬ吉報です。

一口に「ベスパ」と言ってもたくさんの種類がありますが、情報と同時に送ってもらった画像には「vespa 50SS」のエンブレム、そう、台湾ベスパだったのです。

ET3と同じ扇型のメーターを装着

輝くvespa 50SSのエンブレム

細かな台湾ベスパの解説は割愛させていただきますが、12V電装、CDI点火、製造時期によってはエンジンの排気量が90ccの車体もありなかなかキワモノのベスパです。
即購入の意思を伝え、晴れて柏のふじおかハウスにやってきました。

まずは排気量の測定です。
ベスパの場合50ccモデルはストロークが43㎜のショートストローククランク
125cc系(90、100、primavera、ET3)では51mmのロングストローククランク
を採用しています。

台湾ベスパの90ccも後者のロングストローククランクらしいので、腰上ポンで125cc系のシリンダーの装着が可能であり、パワーアップが容易です。(シリンダースタッドは要交換)
50ccの非力さを知っているので、正直90ccでもそこまでパワーはないかな?と思っていました。(後日この考えは覆されますが)早々に125cc化をしてバイパスの車の流れにもついていけるようなエンジンにしたいと考えると、50ccではクランクをロングストロークのものに交換しないといけないので、90ccのモデルのほうが都合がいいわけです。


さてさて、運命のヘッド御開帳!

ボアは約47mm...これは勝ち確では?

ストロークは簡易的に下死点位置で割りばしで測定

51mmっぽい!

やりました!47mm×51mmのロングストロークな90ccでした!

かくして90ccの台湾ベスパを手に入れたふじおかでありました。
これからどう仕上げていこうか、妄想が膨らみます。

2021北海道の旅 ~その2~

 28日、上陸して3日目の朝です。特段どこへ行こうとかは決めていなかったので、とりあえず前日走れなかった宗谷丘陵を走るために一旦宗谷岬へ戻ります。
主に左気筒からのオイル下がりがひどい人工ニキのA65
こまめにオイルをつぎ足します。

前日の記念写真があまりいい写りではなかったので、再度撮影
まだ9時前で薄曇り

宗谷丘陵 こちらも交通量皆無です

風車いっぱい

「Windows XPみたい」はお約束

かっこよくニキを撮れたショット

こちらは通称「白い道」
道路には貝殻が敷き詰めてあります

ごつごつした感じを想像していたのですが、
踏み固められてサラサラでした。

数少ない望遠の出番 圧縮効果でドーン

ちょっとぶれちゃいましたが

 その後はオホーツク海を左に見ながら、ひたすら国道238号線を南下しました。それはそれは気持ちのいい道で、網走まで行ってしまおうかとも思いました。

とりあえず当初の予定を大幅に超えて紋別までたどり着きました。

流氷科学センターは工事中でした

蟹蟹蟹

 この写真ののち、フェリー会社より連絡があり、台風で我々が帰る便が欠航になったとのこと。明日の便までは運航するそうなので、仕方なく予定を1日早めて帰ることに。
とりあえず距離を稼いでおきたいので、旭川までオール下道、日没とのレースを繰り広げました。

翌日は旭川から苫小牧フェリーターミナルへ向かいます。
A65は満身創痍です。

さてさて北海道ともお別れです。

離れていく北の大地をじっと眺める人工ニキ

翌朝

そろそろ旅も終わりです

802マイル、みどりちゃんはなんの問題もなく走り切ってくれました。

おわり



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