20代最後の夏「無駄を楽しむ旅」~その1~

毎年夏は長期休暇を取り、実家のある福島へ。夏の碧々とした空の下、風をきってオートバイで帰省している。今年は幸いにも同じく旧車乗りの二人の弟と休みを合わせる事ができたから、帰省の折には三兄弟でツーリングもできるだろう。 休暇期間は8月20日から29日まで10日間、さながらちょっと遅めの夏休みと言ったところである。長期の休暇になるから、福島へただ高速道路で直に帰るのではなく、少し寄り道をして帰ろうといろいろ計画を練ることにした。

当初は関越高速を利用し湯沢辺りで一泊、明朝より以前から走ってみたいと思っていた只見沿いの国道252号を通り帰省する予定でいた。しかし、1泊2日にしてはちょっと微妙な距離だ、グーグル先生によると全行程で7時間36分、渋滞を避け朝4時に出発しようと思っているから、休憩を入れても1日で足りてしまう距離なのである。

今年はコロナの影響で、街ゆく人々はみなマスクをつけ、不要不急の外出は避けている、1年前とは何もかも変わってしまったように感じる。そんなコロナ禍の中で、やっと少し落ち着きが見えてきた今日この頃、大打撃を受けた観光産業を支援しようと政府はGo toトラベルというキャンペーンを開始した。これは政府に申請をしている旅行先のホテルなどの宿泊施設の利用料の35%が還付されるという旅行者にとっては大変ありがたいものである。しかも「宿泊施設」の中には夜行の長距離フェリーも含まれているのである。これは利用しない手はないと、福島への帰省にフェリーを盛り込むことにした。

現在運行されているフェリーで、福島への帰省を考えると○名古屋~仙台~苫小牧行きの太平洋フェリーを名古屋~仙台間で利用○新潟~秋田行きの新日本海フェリーを利用の2択である。前者は名古屋まで目的地とは逆に走るのがなんとも悲しく、名古屋までの行程もそれほど楽しい道ではないので後者を選択した。ただそれでも出港地の新潟港まで約320キロである。自宅から福島の実家までは300キロない、そして秋田港まで行くと秋田から実家までは約300キロという帰省距離の倍を走るというまさに無駄の旅である。思えば僕は今年29歳、20代最後の夏ぐらい盛大に無駄を楽しもうじゃないか!

そんな計画を立てフェリーを予約、なんやかんやで出発の3日前になった。職場で「無駄の旅」の話をしていると「フェリーに乗りたいなら大洗から北海道でもいってくればいいじゃん」と言われた。通常だと高額でなかなか手が出ない北海道行きのフェリー、今なら割安に行けるゴクリ僕の心が揺れ動いた。


8月19日、折しもバイクの日、予定では20日4時に出発なのだが、仕事明けの12時ごろ前倒しで柏の家を出発した。目的地は大洗港...そう、結局北海道行きをきめてしまったのである。計画はこうだ、柏の自宅から大洗港まで約100キロ走行、商船三井フェリーの苫小牧行きに乗船し北海道へ、フェリーに乗ってバイクと旅をすることが目的なので、道内は1泊2日の滞在。その後苫小牧~仙台まで太平洋フェリーに乗船、仙台港から福島へ帰省をするというものである。この場合、バイクでの自走の距離は自宅から大洗港まで約100キロ、仙台港から実家までの約70キロの計170キロである。バイクにも人間にも優しい距離でその分道内で思いっきり走れるという算段だ。しかもGo toトラベルを利用すればかなりの還付を受けられる、まさに一石二鳥だ。

 

守谷SA

誰が今年は冷夏と予想したか、35度超えの猛暑の中、常磐自動車道をひた走る。みどりちゃんは極めて快調、4速トップ50マイル巡航が3200回転と、以前の5速のT140より回転数が低くエンジンにも乗り手にも快適だ。守谷SA、友部SAで休憩をし、大洗には15時前に到着した。事前に調べておいた乗船者用バイク置き場へバイクを停める。駐車場にはBMW1台だけだった。16時より乗船手続き開始、そして17時20分にいよいよバイクの乗船が始まった。乗船時間近くになるとちょこちょこバイクが集まり、シーズンオフだが10台ぐらい集まっていた。それでも例年に比べるとかなり台数は少ないらしい。エンジンを再始動させ係員の誘導に従い船の前で一旦停止、再度係員の誘導で乗船だ。



いよいよ20代最後の「無駄を楽しむ旅」が本格的に始まる!

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