がんばれ!オープンバルブマン!群馬ツーリング ~その1~

 台風が去ったというのに空は前線の影響でどんよりの曇り、そんな中僕とみどりちゃんは中央高速をいつものように50マイル巡行でのんびり走行している。先月、ツイッターの知り合いの餡子猫氏からツーリングの誘いがあった、ほかにXS乗りのShimoさんも誘っているようで、お二人共お会いするのが久しぶりなのでぜひと参加させてもらうことにした。また、僕の誘いで最近「あがり」のオートバイであるTriumph TR25Wを手に入れて絶好調の人工空ニキも参加することとなり、段取りとしては1012日の8時に関越高速の渋川伊香保IC近くのセブンに集合し、餡子猫氏の地元である群馬をツーリングした後、餡子猫氏のガレージに宿泊するというとても楽しみなツーリング計画となった。

人工空ニキのTR25W250ccということで高速で無理をさせるのは避け、下道で平塚から来るという。8時集合と早い時間なので、11日の夕方に家を出発し、高崎あたりのビジネスホテルに前泊して参加することにするらしい。ただ、さすがにひとりで夜に高崎まで下道での移動は酷だと思ったので、僕も拝島あたりで合流し一緒に前泊をするという流れにした。

 

ツーリングが近づくにつれ、天気が怪しくなってきた。ふじおか晴れ男伝説はどこへやら、台風14号が発生し日本列島に接近している模様、天気予報に一喜一憂しながらツーリングの日が来るのを待つ。そして出発の11日、幸い台風の影響のピークは前日の10日であり、雨はやんでいた。どんよりと曇り空が広がっており、雨雲もちらほらといった感じである。荷物をまとめ、14時ごろ柏の家を出発する。実は9月頭に継続車検を取ってから、1ヵ月ちょいまったく乗れていなかったから少々不安があった、しかしそんな不安をもろともせず、みどりちゃんはティクラー1発で目覚めてくれたのであった。

 

常磐道、首都高、中央道と快調にみどりちゃんと走行した。石川PAで少し休憩する、まだ時間があったので昭島のじいちゃんの家に顔を見せに寄ることにした。じいちゃんばあちゃん、飼い犬のポメ共々、元気そうで何よりである。お菓子とお茶をもらいしばし一服、1時間ぐらい滞在した後、ちょうどタイミングがよさそうだったので、集合場所のセブンイレブン横田基地前店に向かった。

 

 17時過ぎ、トコトコトコと16号を心地いい排気音のオートバイが走ってくる、人工空ニキとTR25Wちゃんの登場だ。お互い実車を見るのは初めてだったので、いろいろと観察しあう。TR25Wはみどりちゃんに比べ250ccということもあり、一回り小さい感じなのだが、ホイールは前後19インチ、オフロード走行を考慮し地上高も高めにとってあるため、ライダーが乗車した感じはさほど変わらないサイズ感であった。人工空ニキはここまで2時間ちょっと平塚から走ってきて多少疲れているようだが一服により体力を回復、インカムをペアリングし走り始める、これからの旅への高揚から二人共テンション爆上げとなるまでそう時間はかからなかった。

 16号、299号を走り埼玉県道30号線へ入った時にはもう日が完全に暮れていた。だんだんと民家の明かりが減ってくる、明るいときはどんな感じなのだろうと想像しながら走る。途中30キロでゆっくり走るトラックにつかまりちょっとロスがあったのだが、無事に小川町に到着。ここから254号へ、県道131号を経由し20時頃に国道17号に合流した。合流してまもなく神流川を渡り群馬県に入る。ここまでくれば安心だ、ホテルまで近いので夜  ご飯を食べることにし、ちょうど左側にガストがあったのでそこで済ませることにした。

 せっかく群馬に来たのだから釜飯やとり飯のひとつでも食べればいいのにとこれを読んでいる方は思うだろうが、オートバイに乗ることがメインのこの二人、おいしくおなかが満たされればなんでもいい人間なのである。

ガストからは5分ほどで今晩の宿「ホテル シーラックパル高崎」に到着した。ちょうど軽用の駐車枠が空いていたので、そこにオートバイを停める。部屋は男同士、間違いが起こるとまずいので(僕の寝相が極端に悪いから)ツインで朝食付き、さらに有料チャンネルや漫画雑誌が読み放題付きで、2人で破格の5700円ぐらいであった、まさにGo to トラベル万歳である。さらにこのホテルはコーヒーやホットミルクなどが飲み放題らしい、たいがい朝食時間帯のみドリンクコーナーが無料で使えるというビジネスホテルが多い中で、これはうれしいサービスだ。

部屋に入ったところでShimoさんからラインが届いた。どうやら家の都合で参加ができなくなってしまったらしい。Shimoさんは僕ら独身満喫族とは違い家族持ちなのでいろいろと大変なのである。残念だがまた次回のツーリングでお会いすることにしよう。

 

翌朝、630分にかけた目覚ましで目が覚める。だめだ眠すぎる。昨晩、寝る間際になって僕が有料チャンネルで劇場アニメ「聲の形」を再生しはじめ、結局2人とも最後まで見てしまったから、就寝は2時過ぎという前泊した意味をまったくなさない結果になってしまった。パパっとシャワーを浴び、朝食をとる。朝食はコロナの影響で大幅縮小となっていて、ちょっと物足らなさを感じた。集合の時間が迫ってきたので荷物を急いでまとめ、745分に宿を出発、集合場所のセブンイレブン渋川半田店へと向かった。

大変申し訳ないことなのだが、集合場所には25分ほど遅刻をしてしまった。久しぶりの餡子猫さんとの再会、そしてTR25Wを見るなり開口一番

「オープンバルブなんですか?」

と言う。何のことかと思って人工空ニキを見てみると蒼い顔、なんとTR25W排気側ロッカーキャップがついていないのである。こちらもびっくり、どこで落としたかぽっかり開いたロッカーボックスからは、見事にロッカーアームが露出していた。

ガムテープで塞ぐオープンバルブマン Photo by Ankoneko

昨日の写真を見返してみると、夜ご飯を食べたガストの時点ではついていたことが確認できた。となるとホテルからセブンまでの道中に振動で緩み落下した可能性が高いのだが、ロッカーキャップが脱落するなんて聞いたことがない。TR25Wのロッカーキャップの形状は60年代ホンダ車でもよく見られたが、緩んでいたことはなかった。恐るべし英国単気筒車の振動?(整備不良?)である。

とりあえず、このままでも多少バルブガイドとバルブの隙間から圧縮が漏れるぐらいで問題はないと判断し、保護のためガムテープを貼って、ツーリングを続行することとした。

 

ツーリングの計画として、渋川からそのまま国道17号を北上し三国峠を越え新潟へ、津南を抜け飯山線沿いの道を走り長野側より国道292号線に至り国道最高峰である渋峠を抜け餡子猫ガレージに戻ってくる約300キロの行程を計画していたのだが、前日の夜更かしとTR25Wの部品脱落、のんびり楽しみたいということで急遽コースを変更し、国道353号線で中之条を通り万座ハイウェイを抜け有名な毛無峠へ、そこから292号線で渋峠に向かい折り返して餡子猫ガレージへ戻ってくる行程とした。

渋川の市街地を抜け国道353号線へ、この道は何度も通っているがずっと片側一車線のため一度流れが悪くなるとひたすらのんびり走行となってしまう。以前Shimoさんと走った時も二人とも徹夜明けで来たため眠すぎて死にそうになった覚えがある。幸い、今日は順調に流れてくれているようだ。左手にはずっと吾妻川が流れのどかな田舎の風景といった感じで、オープンバルブニキはこの時点で「あーめっちゃいい景色、この感じ好き!」とインカムで話していた。この後には毛無峠、渋峠が控えているので感動しすぎて昇天しないか今から心配である。

小一時間走っただろうか、八ッ場ダムの近くに道の駅があるのでそこで休憩をすることにした。前日までは曇り予報だった空は今や太陽が出ていて僕の晴れ男記録をまた塗り替えてくれている。この先だんだんと気温が下がってくることが予想されるのでジャケットの下に一枚着込んで準備をした。一服後出発したのだが国道353号線へ戻る急こう配の接続道路でインカムから悲鳴が聞こえる

「あ、だめだ登んない~~~」

やはり勾配がきついと60年代の英国250ccの車両だと厳しいらしい、渋峠が楽しみだ。

道の駅にて

 国道353号線から406号線へ入り、吾妻線の万座・鹿沢口駅近くで鋭角に右折し万座ハイウェイへ。ハイウェイと聞いてオープンロッカーニキは高速道路を想像しビクビクしていたのだが、在りし日の吾妻スカイラインや伊豆スカイライン同様のただの観光有料道路であるからのんびり走れる道である。料金所でちょっと高めの750円を支払う、上信越高原国立公園の中を少しづつ標高を上げながら快走と行きたいものだがTR25Wにはちょっと厳しいもので時より2速までギアを下げ頑張って登ってゆく。しだいに木々の紅葉が目立ってきて、万座温泉手前ではちょうど見ごろの紅葉でとてもきれいであった。

 万座温泉から毛無峠へと向かうため、県道466号、112号を走る。先ほどの万座ハイウェイとはうって変わって、こちらの道は車一台分の幅員しかないため対向車に注意し慎重に走る。途中に民家などは一切なくかなりの秘境感である。毛無峠が近づいてくると路面が荒れだし、ついにはダートとなる。餡子猫氏はモトクロスなども経験されているので、うまく乗りこなしているのだが、僕はビクビクであった。

Photo by Ankoneko

Photo by Ankoneko

ダートの区間はすぐに終わり、目的地の毛無峠へと到着した。ネットで有名な「この先危険につき関係者以外立ち入り禁止 群馬県」の看板を前に記念撮影。僕は4度目の訪問だが、以前より看板がだいぶ薄れているように感じる。また、訪問する人も増えている印象だ。人工空ニキはコダックのシグネット35でパチパチとフィルムに風景を収めている。森林限界を超えているためあたりには高い木々はなく

Windows XPでしょ」

Windows XPだね」

なんて会話をした。(XPのデフォルトの壁紙に風景が似ている)

Photo by Jinkoku


 

毛無峠の標高は1800メートルちょっと、ここからさらに300メートルほど標高を上げ、目指すは国道最高峰の渋峠、はたして無事にたどり着けるか、乞うご期待!

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