20代最後の夏「無駄を楽しむ旅」~その5~

 翌朝、5時半ごろに目が覚めた、船は三陸沖を航行中のようだ。あれほど曇っていた空が嘘のように晴れている、なんだか悔しいのでお風呂に入ることにする。24時間入浴可能なこともあってか、大浴場は貸し切り状態であった。旅の疲れを癒すように長めに入った。お風呂から上がり、朝食をいただく。チケット1100円をを購入しレストランへ、朝食はバイキングだったが、疲れもありあまり食べれなかった。食べ終わり船内をうろうろしていると、アナウンスが入る。どうやら船はもう宮城県牡鹿半島沖を航行中らしい、船窓には恐山、出羽三山と並ぶ奥州三大霊場の金華山の姿が見えた。


 荷物をまとめ下船の準備はじめる、旅情あふれる船旅も来年までしばらくお預けた。苫小牧港を出港するときに、家族だと思うのだが母親と子供がフェリーターミナルから手を振っており、船上のお父さんがそれに答えて大きく手を振っている姿が、美しい夕暮れと相まってとても感動的だった。格安航空や新幹線におされ乗客の減少が続く長距離航路だが、いつまでも人々の思いを乗せて走り続けてほしいと思う。

 定刻の10時仙台港に到着、今度は逆に暑い。仙台港北ICから仙台東部道路にのる、土曜日なのでお出かけの車が結構多いようだ。仙台若林JCTから仙台南部道路へ、ここは旧車にはつらい対面通行であるが、車の多さもあり60~70キロで流れていたので一安心だ。東北道へ合流し、実家の最寄りの福島飯坂ICで流出する、実家まではもうすぐだ。

 実家につくと下二人の弟たちがT140をいじっていた。真ん中のなまず弟は、パンツ一丁で作業しておりとてもアブナイ雰囲気が出ている。どうやら先日マフラーが高速走行中に脱落したようで、各部取り付けの見直しと、接続部分にガスケットを塗って排気漏れの防止をしているらしい。そして、取り付けたはいいが今度はキックペタルを踏み下ろしたときに干渉するようで悩んでいた。早速見てみると何のことはない、マフラー取り付けステーをフレームの外側につけてボルトで締結していたので、フレームの内側に変更した。これで数ミリ内側になり、キックペダルとの干渉を防げる。「頭を使えあ・た・ま」と嫌味ったらしく言っておいた。


 かくして僕は、20代最後の夏の旅を終えた。総走行距離は1197キロ、みどりちゃんでのロングツーリングはほぼ初めての状態で不安であったが、この旅を経て一段と「人馬一体」に近づけたかな?と感じる。そしてこれから、今度は弟たちとの楽しい夏休みが始まるのである。


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